米国会社四季報を買ってみました

米国会社四季報とはどんな本か

米国会社四季報は東洋経済新報社が発売している本で、米国上場株やETFの情報が書かれている。大まかな構成は、

  • 特集
  • 銘柄情報
  • それ以外

となっていて、メインは銘柄の事業概要、業績推移等が淡々と書かれている銘柄情報ページで、ここに紙面の大部分が割かれている。

冒頭の「特集」ページは「連続増配年数トップ50」銘柄といったようなテーマ毎のランキングである。こういうテーマから銘柄選定したい人には良いページかもしれない。「それ以外」の部分では新規上場や株式分割、シンボルの変更等のリストに加えて、初心者向けに米国株やETFの基礎知識が書かれている。基礎知識パートは巻末の数ページではあるし、書き方も淡々としてはいるのだが、これから米国株に手をつけようと思っている人にとっては有益だと思う。YoutuberやTwitterの有名人の言うことを聞く前に本当に基本的なことを理解するためには有用ではないでしょうか。

ちなみに私は紙の本を買いました。Kindle版もあります。

なぜ買ったのか

インターネットで無料でいくらでも銘柄情報を収集できるし、そもそも「本」(しかも買ったのは紙の本)という媒体の性質上どうしても情報の鮮度は落ちてしまう。すぐに古くなるというか、出版された時点で古い。米国のyahoo! financeを見れば最新のチャート、決算情報が見られる。

では何を期待してこの本を買ったのかというと主な理由は以下の3つ。

  1. フラットに情報に触れることができる
  2. 攻略本のように読むことができる
  3. 日本語である

それぞれ、買った時の気持ちを書いておく。

フラットに情報に触れることができる

私の頭は銘柄選びに関してはバイアスだらけで、この本のように淡々と銘柄情報を並べてくれると、バイアスから少し解放されて、まっさらな気持ちで株式投資に向き合える、気がしている。株式投資をする際に、自分の思い込みや感情に大きく依存した行動をとってしまうことは非常に危険で、相場に起きていることを曲解してしまうリスクがある。
しかもそのことに長く自覚できていない状態はひじょうに良くないと思うので、自分の頭をリセットしてフラットにするという意味で良いかもな、と思って買いました。
当然、この本も全ての銘柄を掲載しているわけではなく、この本に掲載されているという時点で一定のセレクションバイアスはあるのだけど、それでも情報のフラットさにかけてはいい線なのではないかと思っている。

攻略本のように読むことができる

ゲームの攻略本は攻略法だけが載っているかというとそうではなく、ゲーム内のアイテムなんかの情報がリスト化され網羅されている。これはフラットさにも通じるけど、ゲームを攻略するためにはアイテム、装備、魔法などの基礎情報が頭にしっかり入っているほうがはるかに効率が良い、というか確固たる事実である基礎情報に基づいて戦略を立てるというのが唯一の手段といってもよいような気もする。株式投資も似たところはあって、決算や企業の財務数値がある程度頭に入っている方がより確度の高い判断ができる、と思う。昨今の株式投資流行りを見ると、会社が赤字なのか黒字なのかも理解せずに雰囲気で株を買っている人も多そうに思う。

で、そういった基礎情報を頭に入れるという意味で紙の本が部屋に置いてあるというのは結構有効なのではと考えている。攻略本のように、なんとなく、繰り返し眺めることで、数値を自然に記憶していけるのではないか。

これはコンソールゲームをやったことがあって、しかもその攻略本を熟読したことのある人にしか通じない表現で、その点申し訳ない。

日本語である

これは言わずもがなかもしれないけれど、日本のほうが読みやすい。英語で読もうと思えば読めるのだけど、スキミングするように読んだり、視界の端のほうでとらえた情報から意味を読み取るような技術はどうしても母国語である日本語のようにはいかない。私の英語レベルでは。
なので、攻略本的にザクザクと駄菓子を食べるように読みたいときは日本語のほうが効率がよく、ありがたい。

データの信頼性

ちなみに銘柄データはS&PとICEデータ・サービスから提供されたもので、信頼しても良いでしょう。また、経済の動きも情報の流通も速い昨今では「本」という媒体の性質上、直近の状況をリサーチするには向かず、買うかどうかの判断をするにはインターネットでのリサーチが必要になる。
それでも、上に書いたような使い方、読み方はできていて満足しているので、更新されるたびに3千円程度払って買おうかと思っている。

以上。ではまた。