【本】レイ・ダリオの『PRINCIPLES』を読んだ

principles

レイ・ダリオ(Ray Dalio)氏は資産運用会社ブリッジウォータ・アソシエイツの創業者として知られる。著書『PRINCIPLES』は半ば彼の自伝であり、半ば彼の生き方や考え方を書き下したような本になっている。本書の構成は以下のようになっている。

  1. 私の生い立ち
  2. 人生の原則
  3. 仕事の原則

ヘッジファンドの帝王がいつ何を経験し、どういうことを考えてきたのかは「私の生い立ち」を読むと概観することができる。とはいえ、この章は150ページほどで、本書の4分の1程度である。残りの約450ページは「原則」を書くことに費やされている。

レイ・ダリオの原則

誰しもモットーや座右の銘、人生や仕事に対する考え方をひとつ以上は持っていると思う。レイ・ダリオ氏にとってそれらは「原則」であり、人生と仕事のそれぞれについて原則を整理し、書き下したものが本書である。原則は、たとえば以下のようなものである。

自分をマシンの一部として動くマシンと考え、よい結果を生むようにマシンを変える能力があることを知っておこう。

これは人生の原則の1.10.aである。この調子の原則とその解説が並んでいるのが本書である。こういうものは、特に、自分自身が何か悩んでいる(たとえば「初めて管理職になって仕事の質が変わりうまくいかなくなった」とか「家族に関する大きな決断をしなければならない」等)時には内省を促し、考えを深めさせてくれるものではないかと思う。また、レイ・ダリオ自身は自分の原則がひとの役にも立つだろうと思って本書を書いているはずだが、一方、本の冒頭で、

もっとも重要なのは、あなたがあなた自身の原則を作り出し、理想的にはそれを書き出すことだ

と言っている。

ちなみに、私も真似して書こうとしてみたが、厳密に言語化するのはとても難しいし、書き出してみると恥ずかしくて人に見せられないくらい幼稚だったことが判明したりして、すぐに挫折した。つらい。

最初の原則

リストの最初に書かれるものというのは大抵最も重要であるから、忘れないように最初の原則を以下に引用しておく。

自分で考え、

1)何を望んでいるのか

2)何が事実か

3)2に照らし合わせて1を達成するには何をすべきか、

決めよう

である。

経済と投資の原則

ちなみに、レイ・ダリオ氏は彼自身の原則を本書と『経済と投資の原則』に分けて紹介すると言っているので、そのうちこちらも出版される、ということを期待したい。レイ・ダリオ氏の経済に関する言説はYoutubeチャンネルでいくつか観られる。なんと日本語のナレーションがついている動画もある。

ではまた。

追記(2022/01/23)

マネックス証券が運営するマネクリのこの記事がブリッジウォーターについて詳しい。